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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

「墓場」に行き着き…錦鯉をM‐1優勝に導いた芸人同士の美しい絆の結晶

公開日: 更新日:

 バイきんぐ・小峠は、そんな渡辺に「様子見してんじゃねえよ!」(フジテレビ「さんまのお笑い向上委員会」21年4月10日)と“説教”した。「大喜利もトークもネタも、全部完璧に高いレベルでできるヤツ」と称賛した上で、「たぶん、渡辺はとりあえず、雅紀にスポットをあてて、そのうち(長谷川のターンが)落ち着いたら俺が行こうかくらいに思ってると思うんです」(同前)と分析していた。

 実際、オードリーやフットボールアワーなども、まずキャラの強い方がブレーク。その後、“じゃない方”が評価されるようになった。だが、錦鯉の場合は、もう2人とも40歳を越えている。だから「40越えたおっさんが様子見るな!」「悔しいんです。コイツの面白さが世間にバレてないのが!」(同前)と小峠は言うのだ。

 実はバイきんぐが「キングオブコント」を取った時に披露したコント「自動車学校」の重要なボケのひとつは、渡辺の発案だったという(テレビ朝日「お笑い実力刃」21年9月15日)。

 それまでしっかりとした台本を作り、漫才をしていた錦鯉に、ザコシショウが「長谷川はバカなんだから、バカを前面に押し出せ!」と助言(テレビ朝日「しくじり先生」21年4月5日)。そのことが、昨年の「M-1」決勝進出につながった。

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