著者のコラム一覧
ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「松本人志とお笑いとテレビ」(中央公論新社)などがある。

錦鯉は長い下積みを経て…ついに史上最年長で「M-1」を制した“中年の星”

公開日: 更新日:

 野球は筋書きのないドラマであると言われるが、漫才の祭典「M-1グランプリ」でも、毎年毎年、想像を超えた劇的な展開が待ち受けている。

 20~30代のフレッシュな才能がひしめき合う昨年末の「M-1」を制したのは、なんと50歳の長谷川雅紀と43歳の渡辺隆の2人からなる錦鯉だった。自他共に認める「おじさんコンビ」が史上最年長チャンピオンに輝いたのだ。

 優勝が決まった瞬間、渡辺は長谷川に抱きつき、「ありがとう」とつぶやいたという。2人が涙を浮かべると、審査員を務めた富澤たけし塙宣之も思わずもらい泣きしていた。「中年の星」と呼ばれた下積みの長い2人の奮闘に日本中が感動に包まれた。

 同じ決勝に進んだライバルの芸人たちも、錦鯉の優勝を心から祝福していた。モグライダーの芝大輔は「お父さんが運動会に出ている」ような感覚で錦鯉のことを応援していたという。錦鯉の2人は温厚な人柄で、周囲の芸人やスタッフからも愛されている。

 錦鯉の芸人としての強みは、長谷川の「明るいバカなおじさん」という唯一無二の強烈なキャラクターである。「バカ」の要素と「おじさん」の要素を生かした破壊力のあるボケを連発して、見る者をバカバカしい世界に引きずり込む。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」