作家・岩井志麻子さん「酒の席で“瓶ビールのつぎ足し”は絶対許せない」

公開日: 更新日:

岩井志麻子さん(作家/57歳)

 テレビのコメンテーターなどでもおなじみの作家の岩井志麻子さん(57)は大のビール好き。アジアのビールなど外国では必ず地ビールをたしなむが、韓国では日韓戦のような酒の戦いをしたことも!? 最近では同年代の業界人とボトルごと頼む女子会で盛り上がる日々という。

 ◇  ◇  ◇

 昔は緩かったから、冠婚葬祭の時やお正月に大人が子供の私に「おまえも飲めよ」と勧めてきましたし、養命酒も飲まされたりしたから、お酒デビューは早かったですよ。学生時代も大人に鍛えられてきたし、昔は無法というか、早くから飲んでいた人は多かったですから。

 岡山の地元では、中高生が平気でオート3輪とかトラクターを運転していた時代。だから、お酒は二十歳からと知ってはいても、だれも守っていなかったと思います。いけないことではありますが。

 大人の今でも一番好きなのはビール。酒の席で絶対に許せないのは“ビールのつぎ足し”です! まだビールが残っているグラスに瓶ビールでつぎ足しされると殺意を覚えるくらい頭にくる。気が抜けておいしくなくなりますから、飲み切ってからつがないと!

■韓国の人と飲むと、友好でなく戦いの場に。お酒の日韓戦になる!

 酒を人につぐのが常識なのは日本だけですよ。韓国では女性が夫や恋人ではない男につぐのはちょっとタブーですからね。

 私は主にアジアのビールが好き。ウイスキーだのワインだのはヨーロッパがおいしいけど、ビールは絶対にアジアがうまい。私は外国に行くと必ず現地の地ビールを飲みます。

 タイに行けばチャーンやシンハーやレオ。ベトナムならば333(バーバーバー)とかサイゴンビールを飲む。地ビールは世界各国でその土地の気候と料理に合ってますからね。333はベトナムのどこにでも置いてあるありふれたビールで、旅の写真を見返すと、必ず333が写り込んでいる。そのくらい行くたびに飲んでました。

 ベトナムの人は酒が弱くて、ビールで酔っぱらいますね。私には韓国人の夫がいるのでよくわかるのですが、韓国の人はメチャクチャ強い! ビールが水代わりというか、サイダーみたいな扱いで飲んで、焼酎のロックでやっと“酒を飲む”という感覚でしょうかね。

 他の国だと現地の人との酒席はコミュニケーションの場というか、友好関係を築くのが目的になるけど、韓国の人たちの多くは、たくさん飲んで酔っぱらうのが目的だし、勝負が好きみたいだから、戦いの場になるんですよ。「酒の量で日本人に負けない」という感じになってきて、私も負けじと勝負するから、お酒の日韓戦みたいになる。たいてい韓国が勝つんですけどね(笑い)。なんで彼らはあんなに強いんだろうと。酒への熱量がすごい。

 私はワイン2本飲んでも平気な夜もあれば、ビール2本でベロベロになることもあります。でもどんなに飲んで記憶がなくなっても乱れることなくちゃんと帰るから、事件になるような不祥事は一度もない(笑い)。

■酒席でおカタイ評論家からエロ話を聞き出す

 なぜか私は酒の席で、すごく真面目でおカタイ評論家やコメンテーターからでもエロ話を聞き出す能力がある。

 相手は酔っぱらってつい話してしまい、「しまった、岩井にエロい秘密を暴露してしまった!」と後悔してるけど、私は酔っていてもちゃんと記憶して本のネタにしてますから。

■飲み友だちは中瀬ゆかりと西原理恵子

 今、仲のいい飲み友だちなのは編集者の中瀬ゆかり(TOKYO MX「5時に夢中!」木曜コメンテーター)と漫画家の西原理恵子。2人の共通点は酒が強く、でも、酒席で愚痴や人の悪口を言うことは一切なく、酔うと面白さが倍増する。さらに2人とも私よりお金持ち!

 3人とも同い年で、全員バツイチ(笑い)。気取ったバーの時もあれば、新宿ゴールデン街の安い店の時や、ゆかりちゃんの彼氏がやってる店の時もある。3人とも酒好きだから、どこへ行っても「ボトル持ってきて! こっちで作るから!」と。たいてい焼酎を飲んでますね。

 同年代の女友だちで同じ業界にいて、でも、小説家と編集者と漫画家とそれぞれ職種が違って競合相手ではないから、仲よくやれていると思いますよ。3人でいると楽しいし、年を取るのも楽しいと思えるステキな女子会です。周りからはおぞましい魔女の集会に見えるかもしれないけど。

「3人の酒席の関係を保てるように私も仕事頑張ろう」と思わせてくれる2人です。楽しくお酒を飲むために、これからも真面目に頑張ろう。不祥事は起こさないように気をつけて(笑い)。

(聞き手=松野大介)

▽岩井志麻子(いわい・しまこ)1964年12月生まれ。岡山県出身。86年に小説家デビュー。99年「ぼっけえ、きょうてえ」で第6回日本ホラー小説大賞受賞。翌年に第13回山本周五郎賞受賞。昨年6月に最新著書「でえれえ、やっちもねえ」発売。TOKYO MX「5時に夢中!」などテレビでも活躍。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  3. 3

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  4. 4

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

  5. 5

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  1. 6

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  2. 7

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  3. 8

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  4. 9

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  5. 10

    長嶋一茂が父・茂雄さんの訃報を真っ先に伝えた“芸能界の恩人”…ブレークを見抜いた明石家さんまの慧眼

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも