脳梗塞で入院した三遊亭円楽は僕にはありがたい存在 本当に「いい人」なのだ

三遊亭円楽（Ｃ）日刊ゲンダイ

　とはいえ、心配なのは円楽だ。脳梗塞となれば、落語家の命でもある「話す」や「言葉を選ぶ」といった面の後遺症はどうなるのか。円楽自身はすでにリハビリを始めているようだが、リハビリは早ければ早いほどよいとされるので影響が出ないように祈るばかりだ。

　実は、円楽とは古くからの知り合いで、彼が楽太郎という名でワイドショーに出ていた時、僕もその番組でご一緒していた。テレビの仕事ではまったくの新人だった僕に「城ちゃん、笑いが取れた時、ウケたからって同じことを繰り返しちゃダメ。すぐに『ところが実は……』と別の話にしたほうが、もっと話を聞いてくれるんだよ」とアドバイスをしてくれた。弟子でもない僕に丁寧に教えてくれるありがたい存在で、実は「いい人」なのだ。

　それでも僕は度々、「円楽は腹黒だから、ほとぼりが冷めたらまた浮気する」などと言ってきたが、実は、それは彼のキャラに合わせただけで、実際の彼は面倒見のいい懐の深い人物なのだ。

　と書くと、復帰した時に「やめてよ～、迷惑だよ」と言われるかもしれない。落語家は「年を取るのも芸のうち」と言われるので、円楽にもあと20年は現役で、腹黒のままでいてもらいたい。