いまの皇室の足元が揺らいでいる理由は何か

公開日: 更新日:

 最近「ハイブリッド戦」といって、相手国を分断して社会に亀裂を起こさせるために偽情報を流すことが常態化しているそうだ。仮に中国が天皇の権威を失墜させるために偽情報をメディアやSNSに流したとする。国民が人気に右顧左眄していると、簡単にだまされて皇室批判の大合唱になりかねない。そうなったら象徴天皇制は維持できなくなるだろう。

 戦前は、皇族の結婚相手は同族(皇族)か勅旨により認められた華族と定められていた。天皇が認めた華族とは近衛家、九条家など五摂家のことである。五摂家なんて庶民には縁のない雲上人のような存在だから、それだけでも天皇は別世界の人だった。そのうえ明治政府は、天皇家の「万世一系」を演出するために、義務教育をはじめあらゆる手段を利用した。各地の古墳を大した根拠もなく天皇陵にしてしまったのもこの時期だ。そのおかげで国民の間に、天皇はさらに特別な存在として刷り込まれていった。

 ところが日本の敗戦によって、私たちは皆平等になった。今それを疑う人はいないだろう。平等である相手に対して、「畏敬」や「敬意」を表したくなる人物といえば、よほど傑出した人物ではないと無理だ。それを、天皇だからといって、いまはかなえられる時代ではない。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」