横浜流星は“イケメン俳優の壁”を突き破れるか? 小説「線は、僕を描く」の実写映画で主演決定

公開日: 更新日:

 阿部寛(57)主演のTBS日曜劇場「DCU」の最終話が20日に放送され、平均世帯視聴率は15%台を回復して終えた。高評価が続いている日曜劇場作品の中では珍しく、<黒幕の展開がお決まりすぎてつまらない>といった声がネットで上がり、北京五輪の影響もあって、視聴率は一時11%台に落ち込んだ。

 横浜流星(25)が演じる瀬能陽生役に対しては、<感情の起伏がおかしいし、情緒不安定な人に見える台本で可哀想>などと同情的な声も散見された。

 横浜は19年1月期に放送された連続ドラマ「初めて恋をした日に読む話」(TBS系)で知名度が全国区となり、昨年4月期の「着飾る恋には理由があって」(TBS系)など、恋愛ドラマでは安定した評価を得た。ここに来て出演作に恵まれず、壁にぶつかった印象がある。

目指すべきは松坂桃李の成功パターンか

「横浜さんのように端正な容姿で女性人気の高い俳優は、原作が少女漫画などの女性ファンに人気の出そうな作品に最初は多くキャスティングされます。しかし、ある意味で替えが効く存在でもあり、原作を尊重しようとすると、俳優としての個性を前面に押し出しにくくなりがちです」(ある演出家)

 横浜が今後も「演技派」として息の長い俳優でいるためにも、ここらで「代表作」に恵まれることも課題となる。

 その点、作品選びで成功しているのが、横浜と同じ戦隊ヒーロー出身でありながら俳優として独自の地位を築いている松坂桃李(33)だ。映画「娼年」や「彼女がその名を知らない鳥たち」といった重い役をしっかり演じてインパクトを残す一方、ドラマ「パーフェクトーワールド」(フジテレビ系)などでピュアなラブストーリーでもきちんと結果を残した。俳優としては理想的なキャリアの積み方と言える。

 横浜は空手の有段者であり、世界大会でも優勝経験がある。連続ドラマ「あなたの番です」(日本テレビ系)でもアクションシーンを演じた。

「恋愛作品に数多く出演すると、どうしてもそのイメージが抜けにくくなりがちですが、横浜さんの場合、アクションは評判も良く、彼にしかできない部分でもある。その個性とばっちりハマる作品と出会うか、今までのイメージを覆すような役柄と出会うことができれば、俳優としての世界が広がるのは間違いありません」(前出の演出家)

 そんな横浜にチャンスが訪れようとしている。2020年「本屋大賞」で3位に輝いた砥上裕將氏の青春芸術小説「線は、僕を描く」が、横浜の主演で実写映画化され、10月21日より公開されることが決まった。横浜は、とあるきっかけで水墨画と出会い、学ぶことでその世界に魅了されていく大学生・青山霜介を演じる。役作りのため、水墨画家の小林東雲氏のもとで1年以上もの時間をかけて水墨画の練習を繰り返したという。この役柄を見事演じることができれば、“イケメンの壁”を突き破ることもできるかもしれない。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  2. 2

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 3

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  4. 4

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  5. 5

    国分太一は人権救済求め「窮状」を訴えるが…5億円自宅に土地、推定年収2億円超の“勝ち組セレブ”ぶりも明らかに

  1. 6

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  2. 7

    森下千里氏が「環境大臣政務官」に“スピード出世”! 今井絵理子氏、生稲晃子氏ら先輩タレント議員を脅かす議員内序列と評判

  3. 8

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  4. 9

    菅田将暉「もしがく」不発の元凶はフジテレビの“保守路線”…豪華キャスト&主題歌も昭和感ゼロで逆効果

  5. 10

    人権救済を申し立てた国分太一を横目に…元TOKIOリーダー城島茂が始めていた“通販ビジネス”

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  2. 2

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    国分太一は人権救済求め「窮状」を訴えるが…5億円自宅に土地、推定年収2億円超の“勝ち組セレブ”ぶりも明らかに

  5. 5

    人権救済を申し立てた国分太一を横目に…元TOKIOリーダー城島茂が始めていた“通販ビジネス”

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 8

    ソフトバンクに「スタメン定着後すぐアラサー」の悪循環…来季も“全員揃わない年”にならないか

  4. 9

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  5. 10

    小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明