著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

劣等感から生じた権力欲しかない者の末路には地獄しかない

公開日: 更新日:

 もう誰もが、ロシアの侵略戦争にウンザリだ。ウクライナ東部マリウポリ市は激戦地だ。ロシア軍はドローンで毒物までまいたとか。早いとこ、プーチンが誰かに捕まったらいいのにと願う日々だ。日本も制裁するために、ウオッカなどを輸入禁止しますと官房長官が眠たそうな顔で記者会見した。他のものも含めてロシアからの輸入額の1%ほどを禁輸するというのだ。それがどうしたと虐殺者プーチンも嗤ってるだろう。1%でロシア社会が麻痺するわけがない。日本人がロクに飲まないウオッカごときで何になるんだと誰か記者の一人でも詰問するかと思ったが、しなかった。

 首領プーチンと配下の権力者どもはさまざまな特殊部隊を戦場に送って虐殺させている。おまけにシリアでも“民間人虐殺”を命じた、戦争しか知らなそうな厚顔の司令官が新たに任命され、戦争犯罪を続けるつもりでいる。どいつもこいつもまとめて地獄に堕ちるがいい!

 虐殺者のプーチンは、同い年で1952年生まれだ。我は対日平和条約が発効された年だったので、両親は平和の「和」を取って、この子の将来はもう戦争などなくて「幸せ」に暮らせますようにと、和幸と名付けたそうだ。干支で壬辰だから、同輩には坂本龍一や村上龍や白竜など勇ましい昇り竜たちもいらっしゃる。我は奈良平城京の外れの生まれ。プーチンはロシア革命時まで首都だったレニングラード生まれだ。我は大和盆地ののんきな風土でのほほんと育ったのだが、奴は貧しい家庭環境で育ち、小さい頃から身長も低く華奢だったらしく筋骨隆々のマッチョに憧れ、スパイ映画が好きな愛国少年でKGB(ソ連国家保安委員会)の秘密諜報員に本気でなりたいと思っていたらしい。平城京の少年は小学5年で「陸軍残虐物語」を旅行会社勤務の父親と見て、軍隊という封建社会の大人どもが反面教師に映り、どうしたら嫌いな大人と関わらずに好きなことをして自由に生きられるかと考えたのだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・田中将大はヤンキースに未練タラタラ…「一途な200勝男」は復帰願望を周囲にこぼしていた

  2. 2

    阪神・才木浩人はドジャース入りで大谷と共闘の現実味…「佐々木朗希より上」の評価まで

  3. 3

    カムバック星野監督の“2カ月20kg”の無茶ぶりに「嫌です」なんて言えるはずもなく…

  4. 4

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  5. 5

    高市早苗氏は頼みの党員・党友支持に急ブレーキで決戦シナリオ破綻…陣営が迫られる「地獄の選択」

  1. 6

    不世出のストライカー釜本邦茂さんが草葉の陰から鹿島18歳FWの「代表入り」をアドバイス

  2. 7

    国民民主党“激ヤバ”都議に「免許不携帯」疑惑 日刊ゲンダイの直撃にブチ切れ!【動画あり】

  3. 8

    ヤクルト村上宗隆の「メジャー契約金」は何億円?

  4. 9

    そうだ、風邪をひけばいいんだ!減量に行き詰まった末、裸同然で極寒の庭へ飛び出した

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇