著者のコラム一覧
太田省一社会学者

1960年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビと戦後日本、お笑い、アイドルなど、メディアと社会・文化の関係をテーマに執筆活動を展開。「紅白歌合戦と日本人」(筑摩書房)、「芸人最強社会ニッポン」(朝日新書)、「21世紀 テレ東番組 ベスト100」(星海社新書)など著書多数。最新刊は「放送作家ほぼ全史」(星海社新書)。

マルチタレントの先駆者・青島幸男 作詞、映画、小説、政界進出まで暴れ回った時代の寵児

公開日: 更新日:

 世に出たきっかけは、フジテレビ「おとなの漫画」。毎日生放送で時事コントをやる番組である。

 出演はハナ肇とクレージーキャッツ。青島は、メインのコント作家として有名に。そしてそのクレージーキャッツとの縁で参加したのが、テレビバラエティー史に残る日本テレビ「シャボン玉ホリデー」(61年開始)だった。

 この番組で、青島幸男は自分も出演した。その際のお決まりのギャグが「青島だァ」。番組の裏方なのにエラそうにしている青島がそれをとがめられると、開き直ってこの言葉を陽気に言い放つ。このフレーズが流行して、一躍タレントとして脚光を浴びた。

 その後の八面六臂の活躍は、凄まじかった。

 まずは作詞。映画「ニッポン無責任時代」で主演の植木等が歌った「無責任一代男」の作詞などで一世を風靡した。「こつこつやる奴ァ ごくろうさん」と歌い上げ、「無責任」を称えるその詞は、高度経済成長のために我慢してあくせく働く世の風潮へのアンチテーゼだった。

 また映画「鐘」では、製作、監督、脚本、主演をひとりで務め、カンヌ国際映画祭の国際批評家週間入選を果たした。また81年には、実家をモデルにした小説「人間万事塞翁が丙午」で直木賞を受賞。直木賞を取ると宣言して書き始め、実際に取るといういかにも青島らしい快挙だった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃