川村元気「百花」が公開中 プロデューサーたちは監督として、どんな映画を作ってきたのか
「悪人」(2010年)、「君の名は。」(16年)などの東宝の話題作をプロデュースしてきた、川村元気(43)の長編初監督作「百花」が公開中だ。今年はTBSのプロデューサー・平野隆もギャグマンガを実写化した「KAPPEI」を初監督したが、これまでプロデューサーたちは監督としてどんな映画を作ってきたのか。
日本で最初にプロデューサーの映画監督が注目されたのは、角川春樹だろう。彼は「汚れた英雄」(1982年)を最初に、「みをつくし料理帖」(20年)まで、8本の映画を監督。原作本、音楽と映画を連動させた角川映画のメディアミックス戦略でヒットメーカーになった彼は、製作費50億円の超大作「天と地と」(90年)も監督するなど、話題づくりの名手だった。
話題という点では元松竹の奥山和由も印象的。江戸川乱歩生誕100周年を記念して作られた「RAMPO」(94年)をプロデュースした彼は、黛りんたろう監督が作った作品を気に入らず、自ら監督を買って出て全体の70%を撮り直し、初監督作にした。結局「RAMPO」は奥山版と黛版の2バージョンが公開され、奥山版はサブリミナル効果を取り入れるなど、作品本体以上に周辺の話題で注目を集めた。その後も彼は「大統領のクリスマスツリー」(96年)を総合演出し、松竹を離れてからもドキュメンタリー映画などを監督している。