京成電鉄にのしかかるオリエンタルランド株の重荷…物言う株主の揺さぶりには抵抗も厳しい“お家事情”
京成電鉄が6月27日に開いた定時株主総会で、取締役の選任案など会社提案の議案すべてが可決された。同社株を4.5%強保有するアクティビスト(物言う株主)である英パリサー・キャピタルは小林敏也前社長らの再任案への反対を主張していたが、支持が広がらなかった。
今回の定時株主総会を経て、専務執行役員の天野貴夫氏が新社長に昇格し、小林氏は代表権のある会長に就いた。
京成電鉄は2021年からパリサー・キャピタルに株式を保有され、揺さぶりをかけられてきた。パリサーは特に、「京成電鉄が持つオリエンタルランド(OLC)株の保有割合を15%未満に引き下げるよう一貫して求めている」(市場関係者)。だが、「京成にはOLC株を15%未満に引き下げられない苦しいお家の事情がある」(同)というのだ。
■京成電鉄にとってオリエンタルランドは一種の祖業
京成電鉄は明治時代の1909年に、成田山新勝寺の参拝輸送を目的に設立された「京成電気軌道」がルーツ。5代目社長で京成電鉄を大きく飛躍させ、「中興の祖」と称された川崎千春氏は、三井不動産の江戸英雄社長(当時)らとともに、OLCの設立計画趣意書をまとめ、初代社長に就いた立志伝中の人物だ。