マンション所有者の無知につけこみ積立金狙う…大規模修繕工事や管理会社の闇
大規模修繕工事の発注先を決める住民の会議に、工事施工会社の社員が住民に成りすまして参加する事案が発生していたことが明らかになった。朝日新聞によると、5月17日に正当な理由がないにもかかわらず、大阪府東大阪市の工事会社の社員2人が首都圏のマンションに立ち入った疑いで、6月3日までに神奈川県警に逮捕されている。工事受注のため、住民の議論を誘導しようとしたとみられている。
マンションの老朽化に伴う大規模修繕工事や管理組合をめぐるトラブルがこのところ相次いでいる。1月には、管理会社の社員が計14の管理組合の口座から9億円超を着服し、逮捕されている。3月には、受注する会社や価格を事前の打ち合わせで決める違法な調整を繰り返していた疑いで、「長谷工リフォーム」などおよそ20社に公正取引委員会が一斉立ち入り検査を行っている。
■管理組合理事長を買収するケースも
管理組合が工事の相見積もりをする際、前もって各社がすり合わせていた価格を提示するほか、事前に決めていた会社が受注できるようにしていたという。これらは数十年前から繰り返されていたというのだ。