日本から外科医が消えていく...若い医師が志望しないのも納得
外科医を志望する若い医者がいません。
私のようなジジイの外科医があまりにカッコ悪いのが原因だと思います。毎日、患者さんに謝ってばかり。過酷でみっともない仕事です。名前が出れば出ただけ同業者からの誹謗中傷の大波が襲ってきます。外科医全体の幸福度は非常に低いのでしょう。
「医師の仕事の要諦は何ですか?」と試験官が老医師に尋ねます。老医師が答えられないでいると試験官は言います。「許しを請うことです」
映画「野いちご」(1957年、監督イングマール・ベルイマン)の1シーンです。
いまの時代は特に、患者さんや家族に頭を下げるのが外科医の主たる業務です。こんな情けない仕事を若い人たちが目指そうと思わないのは当然です。いま、国内の随所でカスハラは日々勢いを増すばかり。謝らないでいい仕事は兵庫県知事ぐらいでしょうか。
外科医がいなくなる理由は他にもあります。それは「ヒトは効率の良いシゴトに就こうとする」というのが当たり前の流れだからです。