プラザクリエイト 新谷隼人社長(1)コテコテの大阪で培った営業の原体験
1988年に設立され、写真プリント店チェーン「パレットプラザ」を全国に約165店舗展開するプラザクリエイト。
写真事業からモバイル事業、DIYキットブランド「つくるんです」まで、時代とともに進化を続ける同社の2代目社長が新谷隼人だ。36歳という若さで上場企業の舵取りを任された彼の原点は家業にあった。
「寝屋川という、大阪でもコテコテのエリアで生まれました。父親は町の電気屋を営むいわゆる職人気質の人でした」
父親は一度もサラリーマンを経験したことがなく、地域に根差した商売で、近隣の常連客から絶大な信頼を得ていた。
「父は町の人たちの心をしっかりつかんでいました。テレビが壊れたらすぐに来てくれるって。腕があるのはもちろんですが、距離の縮め方が本当にうまかったんです」
客のためなら何でもやるという姿勢が、確かな信頼を築いていたのだ。こうした父の姿を見て、幼いながらに「これこそが地域に根差す商売だ」と感じたという。この原体験が、新谷の中に「人との対話を通じて価値を生む」という営業の本質を、自然と刻み込んでいった。