芸人の地上波離れ加速の深層…霜降り明星はレギュラー1本に、令和ロマン「テレビに出ない」

公開日: 更新日:

「自由度が高く、より稼げる」

 23年末のM-1グランプリで優勝した令和ロマン(高比良くるま=29、松井ケムリ=31)の高比良は、「テレビは、基本的には出ないです。ほとんど断ってます」と3月にゲスト出演したユーチューブチャンネル「NON STYLE石田明のよい~んチャンネル」で公言している。その意図については「テレビ自体は、自分たちより上の世代のものだと思ってるんです。それは、やっぱめっちゃテレビ好きで、テレビっ子で育ったんですけど、そこですでに完成もしてるし、テレビは。テレビがオワコンだとか、そういう軽々しい若者論を言いたいわけではなくて」と説明している。お笑い研究家の鈴木旭氏が解説する。

「確かに、コロナ禍によってユーチューブ動画やライブ配信が増え、“テレビよりも自由度が高く、より稼げる”と活動方針をシフトした若手は多いです。ただ、令和ロマンの場合、M-1優勝後のこれからという時期にあえて選択していることなので、霜降り明星とは少々状況が異なる気がします。というのも、19年末に霜降り明星・せいやさんから『レギュラー番組の継続が決定すると毎回安心する』と聞いたことがあるからです。18年あたりまではバラエティー番組では世帯視聴率が重視されていて、若手が取り上げられにくかったという背景もあると思います」

 しかし今は、個人視聴率が採用され、若者ウケする芸人を積極的に起用することもできる。その一方で、芸人たちの選択の幅も広がってきたというわけだ。鈴木氏が続ける。

「現在キー局のレギュラーが少なくなったとはいえ、せいやさんは『私のバカせまい史』、粗品さんは『有吉の世界同時中継』に出演するなど、いまだ2人ともバラエティー番組の売れっ子です。これまで通り、ユーチューブと同時にテレビでも活躍したいと考えているはず。今はいろんなメディアがあるので、芸人それぞれで方針に違いがあるのは当然だと思います」

 いずれにせよ、芸人たちがテレビだけにこだわっていた時代はすっかり様変わりしたようで、他に活躍する場はますます整いつつあるようだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン