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北島純映画評論家

映画評論家。社会構想大学院大学教授。東京大学法学部卒業、九州大学大学院法務学府修了。駐日デンマーク大使館上席戦略担当官を経て、経済社会システム総合研究所(IESS)客員研究主幹を兼務。政治映画、北欧映画に詳しい。

お盆休みにパリ五輪の余韻を楽しむ映画5作品はコレだ 評論家が厳選

公開日: 更新日:

 この映画のもう一人の主役が仏警察暗号解読官のオドレイ・トトゥ。そのオドレイ・トトゥが主演した映画「アメリ」(ジャン=ピエール・ジュネ監督、01年)も見逃せない。パリのモンマルトルを舞台にした小粋な佳作で、映画プロデューサーの故叶井俊太郎氏が日本向けに買い付け「パリ系おしゃれ映画」としてヒット作になった。

 この映画で心優しき青年を演じたジャメル・ドゥブーズが、開会式で聖火をジダンに手渡す記念すべきトップバッターを務めた。

■移民問題を描いた21世紀版「レ・ミゼラブル」

 パリ五輪フランス代表には、柔道男子100キロ超級金メダルのテディ・リネール(東カリブの海外県グアドループ出身)をはじめ、旧植民地・海外領土をルーツとする移民とその子孫が多かった。その移民問題を描いた映画「レ・ミゼラブル」(19年)は必見。監督のラジ・リは「バティモン5 望まれざる者」(23年)で有名だが、映画としての衝撃は前者の方が上。異常な緊迫感がある。舞台はパリ郊外モンフェルメイユ。ビクトル・ユゴーの小説「レ・ミゼラブル」でジャン・バルジャンがコゼットと出会った場所で、21世紀版「レ・ミゼラブル」は貧困と差別に苦しむ移民が主人公になるのがパリの現状でもある。

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