著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

やす子に始まり、やす子に終わった…一体、誰のための「24時間テレビ」なのか

公開日: 更新日:

障害者にスポットを当てた企画激減

 出演は女性アナウンサー不動の人気ナンバーワンの水卜に元日テレのフリーアナ羽鳥慎一、初回から唯一出演している徳光和夫。長年メインパーソナリティーを務めていた旧ジャニーズ勢の姿はなく、出演は「みんなの動物園」のMC相葉雅紀くらいのもの。

 例年、旧ジャニの主演があたり前だったスペシャルドラマも、今年は初代総合司会の萩本欽一と妻・澄子を描いた「欽ちゃんのスミちゃん~萩本欽一を愛した女性~」を放送。伊藤淳史波瑠香取慎吾が出演、草彅剛が語りを担当し好評だった。

 昨年と違うのは旧ジャニ排除だけではない。これまで障害者を山に登らせたり、ドーバー海峡を泳がせたり、ダンスを踊らせたりと障害者メインでやっていたはずが、ほぼほぼ出なかった。

 確かに1年に1回だけ障害者を応援する姿勢は「感動ポルノ」と一部で批判されたとはいえ、それが「24時間テレビ」の骨子だったはず。障害者にスポットを当てた企画が激減、障害者排除の方向性に呆れてしまう。

 折しもパリパラリンピック開催中。選手を応援するようなコーナーをつくってもよかった。

 車いすテニスの小田凱人選手が自身のSNSで「試合はあるけどテレビ放送はないらしいです。多分試合は日本時間日曜日のゴールデンタイム。なんのためにメディアに出て、演出してきたかわかんなくなりそうだけど、これが現実」と書き、不信感をあらわにしたが、その通り。パラ選手の活躍を見たくても見られないのが現状だった。

 今年のテーマは「愛は地球を救うのか?」。救われたのは日テレだけ?

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」