プリンセス天功さん「2代目引田天功」継承44年…いま明かす危険と隣り合わせのステージの数々

公開日: 更新日:

「ウオータータンク」では救急車で5回運ばれた

 ネタによっては大変な思いもしました。水が入ったタンクから抜け出す「ウオータータンク」というネタがあります。イリュージョン、マジック的ではないのですが、初代天功は危険なことをしてそこから脱出することが得意で、それを冒険と言っていた。ウオータータンクは初代に倣って私が冒険としてやっているネタです。

 ウオータータンクでは水中に入って3分間息を止めていないといけません。普通、人は水中で3分も息を止めることはできません。では、海女さんはどうやって息を止めているのか。まずそこから勉強です。でも、とても3分止めていることはできない。止めることができるのはMAX30秒くらいです。それなのになぜ、海女さんは3分止めていることができるのか……。海女さんの呼吸法を研究したり、いろんなところに話を聞きに行って研究したり。それでもうまくいかない。習得するのは苦しかったですね。

 ある時は公演が毎日毎日続いて風邪をひき、やっている最中にせき込んでしまい、水を飲み、溺れた状態になってしまいました。それを見たスタッフが慌てて緞帳を下ろし、消防の人を呼んで引きずり出してもらい、救急車で運ばれました。そんなことがこれまで5回あります。

 最初にダイナマイトが爆発する中で大脱出をやったのは日本テレビの番組でした。私は爆発の近くにいます。もちろん隠れる術はあります。ただし、爆発の音を聞きながらやるので耳は隠すことができない。ある時は最初の1発で鼓膜が破れてしまった。2発目からは耳が聞こえないから感覚だけを頼りに最後までクリアしました。終わってアナウンサーから質問された時は「耳が聞こえない」と言うしかなかったですね。

 これまで鼓膜が破れたことは5回。そのたびに鼓膜を張り替えました。日本では手術しないといけないけど、当時アメリカでは障子のような薄いものを鼓膜のところにペッと張ってくれる。それをやってもらうと普通に聞こえるようになるんです。アメリカの医学は進んでました。

 ステージは年間300ステージ、実働は200日です。1年を4分の1に分けてアメリカ、ヨーロッパ、アジア、日本でやっています。家には地球儀があって、行った場所に針を刺してわかるようにしています。もう地球をほぼ1周、全部回った感じです。やっていないのは海の上くらいですね(笑)。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束