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スージー鈴木音楽評論家

1966年、大阪府東大阪市生まれ。早大政治経済学部卒業後、博報堂に入社。在職中から音楽評論家として活動し、10冊超の著作を発表。2021年、55歳になったのを機に同社を早期退職。主な著書に「中森明菜の音楽1982-1991」「〈きゅんメロ〉の法則」「サブカルサラリーマンになろう」「大人のブルーハーツ」など。半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。日刊ゲンダイの好評連載をまとめた最新刊「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」(日刊現代/講談社)が絶賛発売中。最新刊「日本ポップス史 1966-2023: あの音楽家の何がすごかったのか」が発売中。ラジオDJとしても活躍。

「胎動」と「混迷」が交錯するシンドイ2年間

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 しかし、本音ではどうだったのか。というのは次に、こう付け加えているのだから。

──<しかし、これはシンドイ戦いです>。

 大衆性と実験性の間で、やれるだけのことはやってきた自負もあったろう。そして「大衆性」の面では、近藤真彦田原俊彦と戦っていく覚悟もあったはずだ。

 しかし、それでも「シンドイ」……。

 自らの年齢(84年元日時点でまだ35歳だが、今と違って当時の30代は完全な「中年」である)や相変わらずの繁忙に加えて、あれほどキレッキレで信頼できたスタッフの感覚が鈍り始めていることが大きかったのではないか。

 不発に終わったシングル「きめてやる今夜」、そしてアルバム「女たちよ」。セールスだけでなく、作品としても会心作とは言えなかった。逆に「晴れのちBLUE BOY」という会心作であっても、世間は付いてこない。

 これでは本格的に「シンドイ」──このまま惰性で行くのではなく、人間関係を一度リセットして、新しい道へと思うのも、自然なことだったと思うのだ。

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