著者のコラム一覧
池田陽子薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

【ムール貝】腎のパワーを高めて全身を温め、夜間頻尿を改善

公開日: 更新日:

 ぐっすり眠りたいのに、夜中に何度もトイレで目が覚める……。夜間の就寝中に、1回以上排尿のために起きる状態が続き、日常生活に支障を来している状況を「夜間頻尿」といいます。年齢を重ねるほど症状が現れる傾向があり、シニアの大きな悩みのひとつです。

 夜間頻尿の原因は、まず膀胱容量の減少があげられます。加齢に伴って膀胱の筋力は低下します。そのため、一度に溜められる尿の容量が低下してしまうのです。

 さらに、夜間尿量の増加が考えられます。夜間の尿量は、脳下垂体から抗利尿ホルモンが睡眠中に分泌されて調節されますが、年齢を重ねると、ホルモンの分泌が悪くなるために尿量が増加してしまうのです。そのほか、水分摂取量や服用している薬が原因となる場合もあります。

 夜間頻尿は睡眠の質を低下させてしまうため、日中の疲労感、集中力低下といった不調を招きます。さらにシニアの場合、暗い中でトイレに行くことによる転倒リスクも高まります。食養生で対策を講じましょう。

 中医学において、夜間頻尿は老化をつかさどる臓器「腎」の弱りが膀胱に及んだことによって起きると考えます。腎の働きによって、体内の余分な水分は尿として外に排泄されるために膀胱へと送られます。膀胱は尿を溜めたり、排泄したりする臓器で、膀胱の開閉や尿の排泄量を調節する働きによって管理されています。

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