Xマスまで1週間…トランプ大統領がこだわる「ロシア&ウクライナ和平合意」遠のく

公開日: 更新日:

 あと1週間でクリスマスだ。ロシアによるウクライナ侵攻開始から4年が迫る中、米国を間に挟んだ和平案のキャッチボールが続いている。「ピースメーカー」(平和の構築者)を自任するトランプ大統領は「これまでで最も(合意に)近づいている」と自信を見せるが、やたらこだわる「クリスマス停戦」の実現は極めて不透明だ。

 ゼレンスキー大統領は15日までの2日間、ウィトコフ米特使らとベルリンで協議。米国がロシアの再侵攻を防ぐ「非常に強力な安全の保証」を提供する意向を示す一方、8割ほどロシアに支配されている東部ドネツク州の前線からの軍撤退を要求。東部・南部4州の割譲を求めるプーチン大統領の主張に沿ったセンであることに変わりなく、ゼレンスキー大統領にはのめない内容だった。週末に再協議する見通しだ。

 元時事通信モスクワ支局長の名越健郎氏(拓殖大客員教授)はこう言う。

「クリスマス停戦の可能性は限りなくゼロに近い。ロシアのペスコフ大統領報道官は〈ウクライナに休息を与え、戦闘継続の準備期間になる〉と牽制している。ウクライナ軍がドネツク州から撤退しない限り、停戦には応じないでしょう。欧米メディアの一部が論調を変えているのも懸念材料です。ウクライナに対し、抗戦を続ければ喪失領土が拡大すると言い出した。戦況は膠着し、ウクライナ軍が奪還する公算は小さいと見ているためです」

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    「おこめ券」迫られる軌道修正…自治体首長から強烈批判、鈴木農相の地元山形も「NO」突き付け

  2. 2

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  3. 3

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  4. 4

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  5. 5

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  1. 6

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  2. 7

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  3. 8

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  4. 9

    維新議員による“身内”への公金支出が次々発覚の異常…「身を切る改革」はどうした!

  5. 10

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲