「年収の壁」で国民民主の要求「178万円」を丸のみ…高市首相の“抱きつき作戦”で維新歯ぎしり
「共に関所を乗り越えることができた」──。「ゆ党」トップのホクホク顔に、チンピラ「与党」は地団駄を踏んでいるに違いない。高市早苗首相(自民党総裁)と国民民主党の玉木雄一郎代表が18日、国会内で会談。所得税がかかり始める「年収の壁」を178万円に引き上げる合意文書に署名した。
減税規模と財源確保の兼ね合いから、178万円の対象者を低所得層に絞りたい自民に対し、国民民主は中間層への拡大を求め、議論は平行線に。来年度の税制改正大綱を決定するタイムリミット寸前で急転直下、最後は高市首相のトップダウンで自民が大幅譲歩した形だ。
昨年末の自民・公明・国民民主の3党合意以来、難航してきた協議がようやく決着。「国民の皆さんから託されたミッション、コンプリート」と玉木氏が誇らしげに語るほどの満額回答である。
長らく103万円で据え置かれてきた「年収の壁」が今年度は160万円、さらに来年度は178万円に引き上げ。納税者の8割が減税の対象となり、とりわけ恩恵を受けるのは年収475万~665万円の層だ。基礎控除の額が今年度より36万円も増え、減税効果は年収500万円で4.7万円、600万円で5.6万円の見込みだ。
金看板の「手取りを増やす」政策が全面的に受け入れられた玉木氏には、もはや高市首相の秋波を拒む理由はない。今回の合意書には、来年度予算案を「年度内の早期に成立させる」との一文が明記されている。国民民主が先の補正予算に続き、来年度の当初予算案の賛成に回ることは確実だ。


















