『ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男』独裁者に心酔し国民を戦争と虐殺に駆り立てた男の末路

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 繰り返しになるが、この映画には注目点がいくつもある。ゲッベルスの好色趣味によるマグダ夫人との確執、ヒトラーの歓心を買うための必死の宣伝作戦、ライバルたちの醜い裏工作、プロパガンダのための映画の活用、巻き返しを期待した対ソ総力戦、ユダヤ人虐殺の実態……。当時のニュースを着色した虐殺場面が登場するため、冒頭に「衝撃的な映像が映し出される」との警告が表示される。デリケートな人は覚悟が必要かもしれない。

 ゲッベルスはその鬱屈した性格が注目されることが多い。幼少から右足が不自由で終生、足に器具を装着。身長165㌢と、ドイツ人にしては小柄だった。ハイデルベルク大学で哲学の博士号を取得し著述業を目指したが原稿が売れず、世間に反感を抱いた。貧困のなか反資本主義の思想を抱き、結果として反ユダヤ主義に近づいていった。こうしたコンプレックスを国家を操る権力者になることで解消したとされる。屈折した人物像を念頭に鑑賞すれば、本作はもっと面白くなるはずだ。

 筆者は本作を見終えたとき、ゲッベルスとヒトラーの関係は何だったのかと考え、「名月赤城山」(東海林太郎 1939年)の歌詞を思い出した。

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