備蓄米放出「出し過ぎ」を認めたくない小泉進次郎農相の“困ったチャン”気質
絶対に「失敗」を認めたくないようだ。小泉進次郎農相は20日、随意契約の政府備蓄米について、9月以降も販売を認めると正式発表。8月末の販売期限までギリギリのタイミングだけに、往生際の悪さが目立つ。
経緯もオソマツだ。5月26日の随意契約の受け付け開始から5日ほどで、割安価格の備蓄米が店頭に並び、客が殺到した。
一躍メディアの脚光を浴びた進次郎農相は当初の30万トンに加え、追加で20万トンの放出計画を公表。「じゃぶじゃぶにしていかなかったら価格は下がらない」「圧倒的に店頭を埋め尽くす」と豪語したものだが、短期間で販売できたのは独自の精米ルートを持つ一握りの大手だけ。出庫や精米などが想定以上に手間取り、流通は遅々として進まなかった。
農水省の担当者は疲れた様子で話す。
「玄米をひとつひとつ金属の網に通してカビ発生や異物混入の確認をする作業に加え、運送の手配も一筋縄ではない。注文主はスーパー、コンビニ、米穀店など延べ500社ほど。注文量は数百~数千トンで100トンでも10トントラック10台分。宅配業者のように一遍に何カ所にも配れず、どうしても時間がかかります」
お坊チャマ大臣は現場の苦労をつゆ知らず、調子に乗って在庫一掃セール。やっと備蓄米が出回る頃にはブームが去って売れ残り、悪い意味で圧倒的に店頭を埋め尽くしている。業者も期限内での販売は困難とみて、注文は尻すぼみだ。結局50万トンの放出計画に対し、申し込みは32万トンで4万トンがすでにキャンセル。それでも実際に業者に届いたのは18万トンにとどまり、3分の1超の10万トンは倉庫に眠ったままだ。