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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

阿部サダヲは作品に笑いのエキスを注入できる唯一無二の“喜劇俳優”だ

公開日: 更新日:

 昭和には「喜劇役者」と呼ばれる俳優がいた。

 森繁久弥・三木のり平・小林桂樹が喜劇映画を支えた。「昭和の喜劇王」と呼ばれた藤山寛美は舞台で活躍した。“フーテンの寅さん”こと渥美清も昭和を代表する喜劇役者だった。近年は喜劇が減ったこともあり「喜劇俳優」の言葉も死語に近い。

「喜劇でなくとも笑いの要素の必要な作品は多い。笑いのエキスを入れられる味のある俳優が少ない」という映画関係者も認めるのが阿部サダヲだ。ジャンルを問わず作品に笑いのエキスを注入できる唯一無二の俳優という。視聴率好調な朝ドラ「あんぱん」。前作「おむすび」の負けを取り戻そうと(?)竹野内豊松嶋菜々子ら主演級が脇を固め「贅沢過ぎる出演者」といわれているが、視聴者を魅了するのが阿部の存在感だ。パン職人「ヤムおじさん」で初回から登場。笑いのエキスを注入して高視聴率の立役者になっている。

「作り込んだ笑いではなく、“フーテンの寅さん”のように普段の生活の中にあるクスッと笑える演技が阿部はうまい。今回の朝ドラの役も阿部ほど似合う人は他にいない」(テレビ関係者)

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