ミッキー吉野さんが語る「貴重な2枚」の写真…トニー・ベネットと、サミー・デービスJr.と

公開日: 更新日:

ミッキー吉野さん(73歳)

「ガンダーラ」や「Monkey Magic」「銀河鉄道999」などがヒットしたグループ「ゴダイゴ」にとって今年は結成から50年の節目。リーダーのミッキー吉野さんは堺正章とコラボした「堺正章 to MAGNETS」の活動で話題になっている。貴重な2枚の秘蔵写真について語ってもらった。

■バークリーの卒業式ではトニー・ベネットと握手

 僕にとって音楽活動の転機になったのはグループサウンズ「ザ・ゴールデン・カップス」をやめて71年に渡米、ボストンのバークリー音楽大学で学んだことです。1枚目の写真は卒業式でアメリカを代表するジャズ、ポピュラー歌手、「想い出のサンフランシスコ」で有名なトニー・ベネットと握手しているもの。

 当時はアメリカの音楽大学というと、クラシックなら、ジュリアード音楽院とかいくつかあるけど、ジャズは圧倒的にバークリーでした。僕は2年から編入しました。

 バークリーでの待遇はよかったですね。僕がカップスでやっていた経歴はわかっているので、地元の日系新聞が紹介記事も書いてくれました。

 キャンパスライフは刺激的そのもの。70年代だから、まだ白人と黒人の人種差別がいっぱいあった時代です。では、イエローはというと差別ではなく区別されていた。ただし、区別だから、黒人が行くクラブでも白人が行くクラブでも演奏できる、つまり、どっちの世界にも行けるという利点があった。あの時はどちらからも区別されている気分を味わいました。

 それから同じ白人でもアイデンティティーをすごく大切にしていることもわかった。自分はアイルランド系、イタリア系、フランス系といったように。そういう違いがあっても、みんながラフに付き合える自由な雰囲気もありました。

 大学で教えていたのはカウント・ベイシーやデューク・エリントンといったビッグバンドのOBたち。そういったトップクラスのミュージシャンと街で普通に会うのも驚きでした。何回もグラミー賞を受賞しているビブラフォン奏者のゲイリー・バートンとピザ屋でピザを食べている時に会いました。彼の授業は取っていたけど、まさか僕らと同じようにピザを食べているなんて想像もしていなかったです。

 ブルースのジョン・リー・フッカーから声をかけられ、「酒を買ってきてくれ」と言われたこともあった。大学のカフェテリアでホットドッグを食べている時に会ったのはザ・バンドというグループのドラマー、リヴォン・ヘルム。彼はボブ・ディランのツアーを回っていた人で、「ツアーが終わったからもう一度勉強をしたい」と言って大学に来ていた。向こうのミュージシャンはプロやアマ関係なく、勉強したいと思ったら大学にも通う。だから成功しているんだと思いました。

 バークリーの学生はIDを持っています。それがあると、レコード屋では30%オフ、ジャズワークショップや有名なミュージシャンが出ているジャズクラブでも料金が50%オフになるとか。街全体が学生によくしてくれました。

 最初に住んだのは大学の寮ですが、ボストンは吉田正尚がいるレッドソックスの街で、寮を出てからは球場のあるフェンウェイパークの隣に引っ越しました。試合がある日は街全体がすごく盛り上がる。みんなが鳴り物片手にパレードをやって大騒ぎします。こんな世界があるのかと思いました。

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