著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

慶応幼稚舎の願書備考欄に「親族が出身者」と書くメリットは? 縁故入学が横行していた過去の例

公開日: 更新日:

「慎太郎さんは一橋大出身で慶応とは関係がないが、叔父の裕次郎さんが塾高出身。何より大きいのは長男の伸晃さんが中学から慶応普通部に入学したこと。慶応への橋頭堡を築き、弟たちの幼稚舎への道を切り拓いた」(慶応大教授)

 慶応大理工学部教授だった千住鎮雄氏の子どもの博、明、真理子、ファッションデザイナー森英恵氏の孫の研、勉、泉、星の兄妹も幼稚舎出身だ。挙げだしたらきりがないが、ここに名前が登場したOB・OGたちはいずれも20世紀中に幼稚舎に入学している。21世紀に入ると、こうした例はガクッと減る。99年4月から3年半にわたって幼稚舎の舎長(校長)を務めた金子郁容・慶応大教授(現名誉教授)が入試改革に踏み切ったからだ。

「自身も幼稚舎出身の金子先生は縁故入学が横行していたことを承知していた。これを変えなければ時代に取り残され、名門小の地位も失うと危機感を抱いていた」と振り返るのは金子氏をよく知る前出の教授だ。入試は受験者本人の実力で判断するべきという強い意志を金子氏は持っていた。

 改革のひとつは、願書の家族の欄を簡素化したことだった。まず、祖父母の欄をなくした。それまでは、祖父母の氏名に加え、学歴や経歴まで書かせていたのだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  2. 2

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 3

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  4. 4

    市船橋(千葉)海上監督に聞く「高校完全無償化で公立校の受難はますます加速しませんか?」

  5. 5

    綾瀬はるか3年ぶり主演ドラマ「ひとりでしにたい」“不発”で迎えた曲がり角…女優として今後どうする?

  1. 6

    プロ志望の健大高崎・佐藤龍月が左肘手術経てカムバック「下位指名でものし上がる覚悟」

  2. 7

    中山美穂「香典トラブル」で図らずも露呈した「妹・忍」をめぐる“芸能界のドンの圧力”

  3. 8

    石破首相が「企業・団体献金」見直しで豹変したウラ…独断で立憲との協議に自民党内から反発

  4. 9

    長渕剛がイベント会社に破産申し立て…相次ぐ不運とトラブル相手の元女優アカウント削除で心配な近況

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希“ゴリ押し”ローテ復帰が生む火種…弾き出される投手は堪ったもんじゃない