著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

綺麗ごと抜きで…絶望を知るから増すアインシュタイン・河井の夢を追うことへの説得力

公開日: 更新日:

 だが、過労のため倒れ救急車で運ばれたことをきっかけに芸人になった。そんな河井にコンビ結成を持ちかけたのは相方の稲田直樹の方だった。最初は断った。吉本の社員から「(注=稲田の)見た目がテレビ的にはNG…うーん、もしくは…ギリギリNGかな…」(株式会社CAM「新R25」21年7月1日)と言われたからだ。

 それでも“お試し”的に組むと、稲田の遅刻ばかりする、だらしない性格に悩まされた。「お前の遅刻で仕事がなくなったら、俺が実家に送る金を補填してくれるのか?」と仲が悪くなるかもしれなくても、叱り続けた。「いっしょに仕事して何かを目指す以上、お互いの人生には責任がある」(同前)と考えたからだ。

 河井はまだテレビに出ていなかった頃から、3年後に東京に行くと決め、逆算して年間計画を立てた。「いつも先を見て計画を考えているのは、子どものときから考えざるを得ない環境だったことが大きいかも」(「AERA」=前出)と。

 いまでは、児童養護施設への寄付やボランティアを積極的に行っている。河井は言う。「綺麗ごと抜きで夢は追ってほしいなと思います。夢から逆算して、じゃあ今は何をしたらいいか、3年後、5年後どうなってたらいいのか、やりようはなんぼでもある」(講談社「mi-mollet」23年7月6日)。

 その言葉は河井が言うからこそ説得力がある。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」