著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

「時代に挑んだ男」加納典明(40)「篠山紀信さんとは、手塚治虫と梶原一騎の関係に似ている」

公開日: 更新日:

加納「誰が?」

増田篠山紀信さんが手塚先生で典明さんが梶原先生みたいに見えます。手塚先生ももちろん天才ですが、梶原先生が『巨人の星』とか『タイガーマスク』とかで売れているとき、理由がさっぱりわからなかったそうです。だから『巨人の星』を読みながら編集者たちに『この作品のどこが面白いのか誰か教えてくれ!』って怒鳴りちらしたという」

加納「そうなんだ」

増田「梶原先生が描く大リーグボール養成ギプスとか、手塚先生には意味がわからなかったと思いますよ。それを梶原先生は素で描けた」

加納「へえ。それはわかる気がする」

(第41回につづく=火・木曜掲載)

▽かのう・てんめい:1942年、愛知県生まれ。19歳で上京し、広告写真家・杵島隆氏に師事する。その後、フリーの写真家として広告を中心に活躍。69年に開催した個展「FUCK」で一躍脚光を浴びる。グラビア撮影では過激ヌードの巨匠として名を馳せる一方、タレント活動やムツゴロウ王国への移住など写真家の枠を超えたパフォーマンスでも話題に。日宣美賞、APA賞、朝日広告賞、毎日広告賞など受賞多数。

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