「時代に挑んだ男」加納典明(38)同年代のライバル「篠山紀信と荒木経惟、どっちも俺は認めている」
作家・増田俊也氏による新連載スタート。各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡ぐ口述クロニクル。第1弾は写真家の加納典明氏です。
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加納「たしかにね、馬にはわかったのかもしれない。『このまま加納さんがここにいたらカメラを持たなくなってしまう』って。たしかにそんな感じだったかもしれない」
増田「そこを馬たちに救われたと」
加納「もちろん本当の意味で救ってくれたのは山口百恵だよ。でも馬の転倒がなけりゃ、後の俺はいなかったと思う。時間が空きすぎて撮影現場に戻れなかった」
増田「そこで例の伝説の山口百恵撮影に入ります。あの沖縄での撮影は、ある意味で篠山紀信さんとの競作だったわけですよね」
加納「そう。どっちがいいの撮れるか、勝負だった」
増田「典明さんが月刊プレイボーイでしたね。篠山さんは別の雑誌で。1日ずつ撮ることになったと」