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増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

「時代に挑んだ男」加納典明(40)「篠山紀信さんとは、手塚治虫と梶原一騎の関係に似ている」

公開日: 更新日:

「お篠は俺の写真に対するコンプレックスがあったと思う」

加納「一切なかった。展覧会の終わった時とか、会って話すことはあったけど。お互い作品に感じたり感じさせたりとか、そういうことも含めて口には出さなかったな」

増田「『お篠』とか呼んでたのは別にってプライベートの付き合いがあったからではなく」

加納「ないね」

増田「作品を見て互いに感じ合うだけですか」

加納「お篠は俺の写真に対してのコンプレックスがあったと思う。だからジレンマはあったんじゃないかな。『おまえいいよな』とは言わないわけ」

増田「プライドがあるわけですね。プライドというのはコンプレックスの裏返しですが」

加納「そうだな。俺としては『おまえ、もっと楽になれよ』と言いたくはあった。やっぱり彼は篠山紀信という輪郭を持つわけだ。だからこそ不自由してる部分があいつにはあったと思う」

増田「聞いていると、漫画界における手塚治虫先生と梶原一騎先生の関係みたいですね」

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