「時代に挑んだ男」加納典明(40)「篠山紀信さんとは、手塚治虫と梶原一騎の関係に似ている」
「お篠は俺の写真に対するコンプレックスがあったと思う」
加納「一切なかった。展覧会の終わった時とか、会って話することはあったけど。お互い作品に感じたり感じさせたりとか、そういうことも含めて口には出さなかったな」
増田「『お篠』とか呼んでたのは別にってプライベートの付き合いがあったからではなく」
加納「ないね」
増田「作品を見て互いに感じ合うだけですか」
加納「お篠は俺の写真に対してのコンプレックスがあったと思う。だからジレンマはあったんじゃないかな。『おまえいいよな』とは言わないわけ」
増田「プライドがあるわけですね。プライドというのはコンプレックスの裏返しですが」
加納「そうだな。俺としては『おまえ、もっと楽になれよ』と言いたくはあった。やっぱり彼は篠山紀信という輪郭を持つわけだ。だからこそ不自由してる部分があいつにはあったと思う」
増田「聞いていると、漫画界における手塚治虫先生と梶原一騎先生の関係みたいですね」