【28.谷崎の箪笥】宇野千代さんの「くよくよしないで」という声が聞こえてくる

この9月で私は86歳になった。急に90歳が間近に迫ってきたように感じる。老いを意識する時、いつも思い出すのは親しかった作家、宇野千代さんの言葉である。
「私はカラス」と宇野千代さんは言った。
「カラスは好きな時に飛び、好きな時に舞い降りるでしょう。私は地を這う虫。虫…
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り1,231文字/全文1,372文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】
(価格改定のため10月から3800円/月(税込))