著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

30年近く前…「爆笑問題」には“もっともっと売れていくな”と感じた楽屋でのやリとり

公開日: 更新日:

 日本中で今や「爆笑問題」の太田君と田中君の2人を知らない人はいないでしょう。もう30年近く前、NHK大阪のお笑い特番で市民会館で行われた公開収録に出演しました。

 私が構成者として呼ばれた時には、すでに出演が確定していて、個人的には楽しみでした。でも観客は1000人を超える関西人。しかも年齢層も高かったので、テンポが速く、アクも強い、しかも大阪弁でない2人の漫才がどこまで通用するのか興味がありました。当時はまだ若手だったので、出番は早いのが普通ですが(放送では早い登場になっていたかと思いますが)、オセロと共に中盤に「若手ブロック」をつくって、会場が温まってからの出番にしたように記憶しています。

 楽屋入りすると、ハチャメチャな太田君も深々と頭を下げて礼儀正しい一面が垣間見えました。

「(お客さんの)年齢層が高いんで、ちょっとテンポを落とした方がいいかもしれへんね」と言うと、「そうですか……気持ちゆっくりめがいいですかね。でも、テレビを見てくれる人も多いですもんね」と目の前の観客のことだけでなく視聴者のことも真剣に考える姿を見て“この子たちはもっともっと売れていくな”と感じました。

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