元吉本興業会長・林正之助さん「伝説」の数々…なんばグランド花月では“会長警報”が
林元会長には数々の「伝説」がありますが、そのひとつに「会長警報」がありました。NGK(なんばグランド花月)の4階にある会長室から客席へ視察に来るというもので、「会長が(客席へ)降りた!」と舞台袖に連絡が入るのです。
中でも一番の被害者がトミーズでした。トミーズには「ボクシング漫才」という「鉄板ネタ」がありました。元ボクサーの雅くんが相方の健ちゃんにボクシングを教えるというもので、スーツを脱いでトランクス一枚でグローブをはめてボケ倒すネタですが「おまえらは舞台ではそれだけやっとけ」というほど会長のお気に入りネタ。ですから、しゃべくり漫才をやっていても「会長警報」が届くと舞台監督が雅くんに見えるようにファイティングポーズのサインを飛ばします。すると、どんなネタをしていても突然「ボクシングしようか?」と袖に準備してあるグローブを取ってきて、トランクス一枚になり、ボクシングネタが始まる。
客席は唐突に始まったネタにポカーン。そうこうしているうちに会長が現れます。それも客席の後ろからではなく、中ほどにある出入り口を開けて堂々と入って来るのです。