最新回の朝ドラ「ばけばけ」ウラの見所~“ただの通りすがり”に落胆したのは錦織(吉沢亮)の方? 複雑な胸の内は
第11週「ガンバレ、オジョウサマ。」#54
【朝ドラのツボ!】
ヘブン(トミー・バストウ)が自分の過去をリヨ(北香那)や錦織(吉沢亮)に語っていた頃、トキ(高石あかり)は胸のモヤモヤの答えもわからずサワ(円井わん)の元にいた。
そこに司之介(岡部たかし)が合流し、サワもリヨの応援をすることになってしまい、トキのモヤモヤが加速する。一方、ヘブンの話は過去の結婚生活に差し掛かっていた。かつてある女性と結婚していたと語るヘブンはそこで自分が犯してしまった過ちを告げる。
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【本日のツボ】
困った時のおサワちゃん
※※以下、ネタバレあります※※
おリヨさまがヘブンに告白するということを聞いたおトキ。まさか江藤知事宅で「ちょっと待った~」とでもやるのかと思ったら、そうではなく、おサワのところでした。
「お待たせ。熱いけん、気ぃつけぇだよ~」、家から持ってきた白湯をおトキに差し出します。白湯を飲んで、「はぁ~。落ち着いた」と取り繕うおトキに対し、「落ち着いちょらん。まだそわそわしちょる」とおサワ。
「しちょらんわ」「しちょるしちょる。こんだけの白湯で落ち着かんわね、簡単に」とおサワ。おトキのことはなんでもお見通しのおサワ。ピンチには必ず現れ、寄り添ってくれます。こんな友人がいたらなあと2人の関係を羨ましく思います。
「なんせ、あやつとお嬢さまが結ばれるかどうかで、われわれ一家の暮らしがかかっちょるけんのう」とどこまでも能天気な司之介。「2人が結ばれて、あやつが松江に残ればおトキに70円入る」と、「な、70円!?」と、今度はおサワが色めきました。
「サワちゃんにもいくらあげるが~」と、もらってもいないお金をあげると空約束。そして、「頑張れ~頑張れ~お嬢さま」「頑張れ~頑張れ~ヘブン先生」と湖に向かってエールをおくるのでした。冷静な才女おサワの「応援コール」はちょっと意外。
司之介とおサワのポーズが、ダイアン津田の「スーを差し上げます」のポーズにも見えて笑ってしまいました。司之介に「おトキもやれ」と言われたおトキ。「白湯全部飲んだらね~」と答えるものの、その表情から、“応援したくない”という複雑な気持ちが読み取れました。
ヘブンの言葉にショックな錦織
一方のヘブンは、おリヨにマーサとの過去を語り、自分の思いを伝えます。
「人と深く関わることはやめたんです。どの国でもどの街でも、ただの通りすがりの人間として、生きていくことにしたのです。誰とも深く関わらない。恋人でも友人でも誰でも。そう決めたんです」。
「おリヨさん、ゴメンナサイ」。呆然とするおリヨでしたが、それよりもショックを受けていたのは錦織のようでした。ヘブンのことを友人のように思っていたのかもしれません。
おリヨにもらったチェアを鳥かごから逃がし、大空に放ったヘブン。チェアのうれしそうな鳴き声のあと、カラスの鳴き声が聞こえたのにモヤっとしましたが。
そんなヘブンを見て、おトキは、おリヨからもらった湯たんぽを叩き割ろうとします。
「チェア、ニガス チェアノタメ ユタンポ、コワス ダレノタメ?」とヘブン。「確かに」とおトキも理解したようで、「すんません、すんません」と。そしてふたりで笑い合うのでした。
ふたりの距離が近づくのはいいとしても、おリヨにああ言った手前、このあとおトキと深い関わりを持つとバツが悪いのでは、と思ったり…。
(桧山珠美/TVコラムニスト)


















