「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶
キナ臭くなってきた。
航空自衛隊の戦闘機が沖縄本島南東の公海上空で中国軍の戦闘機からレーダー照射を受けた一件。発端となった高市首相の「台湾有事は存立危機事態になり得る」との国会答弁から1カ月が経ったが、中国は渡航自粛などの経済的措置から軍事的威圧に対応を一段引き上げたとみられている。
高市首相は8日、衆院本会議の代表質問で台湾有事発言について問われ「引き続き状況を注視し適切に対応していく」と発言。前日には「冷静かつ毅然と対応する」と言ったが、内心、焦りつつあるようだ。英国経済紙のフィナンシャル・タイムズは6日、高まる日中関係の緊張について消息筋のコメントを引用し「山田重夫駐米日本大使は最近、トランプ米政権に対し『高市首相への支持をもっと示して欲しい』と求めた」と報じた。
要は日本への後押しを懇願したわけだが、中国と急接近する米国が「台湾有事を巡って事を構えるとは思えない」(国際ジャーナリスト・春名幹男氏)。
8日は、東郷和彦元外務省条約局長らが国会内で会見。高市首相に答弁撤回を求め、「対話への努力を放棄してはいけない」と強調した。口は災いのもとで、自らの答弁が招いた“人災”に、高市首相はどう落とし前をつけるのか。「それでも答弁は撤回しないでしょうね」と言うのは、官邸の内情に詳しい政界関係者だ。
「あの答弁は、もともと官僚が作ったペーパーにはなかった文言。本人がアドリブで発言したともっぱらです。高市さんは周辺国への配慮から、靖国神社の秋季例大祭の参拝を見送った。それでは保守層が離れかねず支持をつなぎ留めるため、あえて踏み込んだのでしょう。今さら取り下げると、保守離れが起きかねません」


















