「天馬の子」高瀬乃一著
「天馬の子」高瀬乃一著
南部藩の小さな村の貧しい農家に生まれた少女、リュウ。飼っている馬に牡馬が生まれると藩の牧に引き取られて野馬になるが、下馬だと馬喰(ばくろう)に売られてしまう。牝馬は村の里馬として引き続き里で飼われることになる。
ある日、片腕のない和賀の与一という馬喰がやってきた。リュウの飼っている南部馬の生築(いけづき)は子をはらんでいるが、既に老馬で、売っても塩の代金にもならない。だが、与一は生築の父駒について尋ね、馬の食べる道端の草を口に入れたり、土をなめたりする。与一はリュウに、生築の子は天下の御馬になると言って去った。
ひ弱な子馬に夢を託す少女を描く時代小説。 (KADOKAWA 2090円)



















