「お母さんに会いたい」イブの夜、SNSでの切ない願い。ぼっち女性の“自虐”投稿が生んだ小さな奇跡
「クリぼっち」が寂しいのはなぜ?
今年もクリスマスが近づいてきました。一緒に過ごす人がいない、と寂しく思っている人のために、ギリギリセーフで素敵な聖夜を過ごせた人もいるという「駆け込みアクション」をご紹介します。
【内藤みかのあたらしいのがお好き】
近ごろは、クリスマスを1人で過ごす人が多いことも知られてきて、そこまで強烈な孤独を感じることはなくなってきました。
それでもロンリークリスマスを切なく思うのは、街ゆく人たちが幸せそうに見えるからかもしれません。
ケーキやチキンの箱を下げて歩く人、寄り添って微笑みあう恋人たちなど、目にするのは、誰かと過ごすクリスマスを送っている姿。そんななか、自分は誰もいない部屋に戻らなくてはならないので、社会から取り残されたように感じてしまうのです。
SNSで自虐投稿
そんななか、ギリギリセーフで一緒に過ごす相手を見つけることができた女性がいます。
アラフォーのY江さんは、今年もクリぼっちだな…と、諦めにも似た気持ちでいることを、自虐的にSNSに投稿したのです。「今年もぼっちマスなので、ひとりで部屋で映画を観ようと思います」というような内容です。
その時は、特に誰からもお誘いはなく、やはり自分は誰からも需要はないのだろうと、空しい思いを抱いていました。しかし、思いがけないことがクリスマスイブに起きたのです。
ある男性の切ない「クリスマス」の記憶
イブの夜、普段よりずっと静かなSNSの画面に、とある男性の投稿が現れました。イブも仕事だとボヤくなか、子どもの頃のクリスマスの思い出を綴っていました。
その男性とは以前に一度、異業種交流会で名刺交換をしたことがありました。
お母さんが入院中だったため、幼い彼は、おばあさんの家でクリスマスを過ごしていました。サンタさんに「プレゼントはいらないからお母さんに会いたい」と書いたそうです。
クリぼっちのおかげで起こせた行動
翌朝、サンタさんからの手紙とプレゼントが枕元にありました。そこには「お母さんは病気と戦っているから今日は会えないけれど、治ったらすぐに会えるようにするから待っててね」と書かれていたそうです。あれはおばあさんが書いてくれたのだろう、というような投稿でした。
それを読んでY江さんは彼にメッセージを送りました。「私も母親が入院中にクリスマスを過ごしたことがあるので、投稿に感動しました。素敵なおばあさんですね」というような内容です。
イブに1人で時間を持て余していたので、そういうメッセージを書く気持ちの余裕もあったのです。
彼から届いた突然のメッセージ
すると、すぐに彼から返信がありました。
「共感ありがとうございます。同じような経験をした人がいたんですね」とあり、続いて「Y江さんは、クリスマスにひとりだと書いていましたね。もしよかったら明日、僕と食事をご一緒いただけませんか? 僕もひとりなんです」とありました。
突然の誘いに一瞬戸惑ったYさんでしたが、その男性が時間がある時に児童養護施設で勉強を教えるボランティアをしている様子をSNSで見かけていて尊敬していたこともあり、食事を一緒にすることに。
そして今、彼女はその男性とお付き合いしています。
クリぼっちこそチャンスあり!
クリぼっちで部屋にいる女性がいるということは、同じような男性もいるということ。イブの夜にSNSを訪れると、そこにいる人は恋人がいない確率が結構高いのです(マッチングアプリはさみしい女性狙いのヤリモク男性も多いので注意が必要です)。
SNSではコメントを書き込むこともできますが、誰にでも読めてしまうので、メッセージを送信したほうが、個人的な関係に発展しやすいのです。そしてY江さんの場合、SNSに「クリスマスはひとりです」と書いていたので、男性も誘いやすかったのだそうです。
もしかしたらクリスマスは、恋人を作る絶好のチャンスかもしれません。イブの夜は、SNSをそっと覗いてみてはいかがでしょうか。
(内藤みか/作家)

















