(2)がんに対する「良い働き」と「悪い働き」がある

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 私たちの体には免疫機能が備わっており、体の中に異常な細胞(がん細胞)が生じると、免疫が見つけ出して攻撃・排除する。ところががん細胞は「免疫から見えなくなる」「免疫を抑制する」という方向へ進化し、攻撃から逃れるようになる。「免疫のブレーキ」と呼ばれる働きだ。

「この『免疫のブレーキ』を外し、がん細胞を再び攻撃するように働く薬が、2018年のノーベル賞受賞者である本庶佑先生(京都大学特別教授)が開発した免疫チェックポイント阻害薬です。ただし、免疫チェックポイント阻害薬が効く人は20~40%に限られています。オートファジーは、免疫チェックポイント阻害薬を助け、がん細胞への攻撃力をより強める存在として注目されています。一方で、オートファジーの活性化は、がん細胞への攻撃力を弱めるという面もあります。がん細胞に対して、オートファジーはもろ刃の剣になるのです」(トロント大学医学部招聘教授・高橋利匡医師=以下同)

 オートファジーが活性化すると、がん細胞の表面にある「ブレーキ因子」が分解され、がん細胞への攻撃力を再び強める。ところが、オートファジーの活性化は、膵がんなどがんの種類によっては、がん細胞が持つ「がんですよ」と示す分子を見えなくしてしまう。

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