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荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

アナフィラキシーに対する点鼻薬はアレルギー患者の“救い”になる

公開日: 更新日:

 今年9月19日、アナフィラキシー補助治療剤「ネフィー点鼻液」が日本で承認されました。

 これまでアナフィラキシー症状に対しては、アドレナリン自己注射薬のエピペンが第1選択薬でしたが、医療関係者ではない一般の方にとっては、「注射する」という行為に大きな抵抗感があったのが現実です。エピペンを持参していた食物アレルギーの患者さんや小学校の教職員からも、「いざという時に使えるか不安」という意見を何度も聞いたことがあります。

 ネフィーは鼻腔内投与時の吸収を向上させるために界面活性剤ドデシルマルトシドを含有した新規のアドレナリン製剤です。鼻粘膜から吸収されたアドレナリンが速やかに血中に入り、全身に作用します。

 薬物動態(血中濃度)は、アレルギー性鼻炎下でも筋注に匹敵するカテコラミン反応を示すデータが示されています。体重15キロ以上30キロ未満にはネフィー1ミリグラム製剤、体重30キロ以上にはネフィー2ミリグラム製剤を使用します。鼻にワンプッシュするだけで、針を刺す“怖さ”も心配ありません。

 ただし、ネフィーはエピペンと同じ「アナフィラキシー補助治療剤」ですが、エピペンの完全な代替薬として使用できるか否かについては、発売されてから慎重に検証していく必要があると思います。点鼻は筋肉注射より効果発現がやや遅い可能性があり、発売後のデータ蓄積が重要です。また、適正使用の観点から、処方にあたっては医師の登録も必要で、あらかじめ動画講習を受講し、処方医師登録が完了した医師のみが処方できるという体制が取られています。

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