半世紀を経て復活する伝説の青春ドラマ「五十年目の俺たちの旅」は“聖地巡礼”の元祖

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 若い工員に、なんでも体当たりでぶつかってきた自分の人生観を伝えるカースケ。死んだ母親と暮らした神楽坂の実家に人生の最期は戻りたいと願い、鳥取での生活を捨てるべきか悩むオメダ。相変わらず若い女性によろめく、飄々とした老後を送るグズ六。70代を迎えても昔のキャラクターと根っこの部分では変わらない3人の、人生の終わりを見据えた友情がつづられる。

 特に洋子を思い出すエピソードで、昔の作品からの回想シーンがかなり登場するため、かつてのシリーズを見ていない人にはわかりにくい部分があるが、70年代の青春をそのまま引きずったようなテイストは、ファンを裏切らないものになっている。ノスタルジーでありながら、老境に差し掛かった彼らが現在進行形でつづられるところは、この作品ならではの味わいだ。

 演じる俳優の年齢に合わせてキャラクターも年を重ねていく作品には、映画だとフランスのクロード・ルルーシュ監督、アヌーク・エーメとジャン=ルイ・トランティニャンが主演した「男と女」がある。1966年の第1作でカーレーサーと映画のスクリプターとして出会った男女の、20年後を描く「男と女Ⅱ」(1986年)、そして記憶を失いつつある男性をヒロインが訪ねる52年後の「男と女 人生最良の日々」(2019年)まで、こちらも半世紀にわたる二人の人生模様が描かれた。しかし日本の作品では、テレビドラマの「ふぞろいの林檎たち」(TBS系)が全4シリーズで14年(1983~1997年)、「北の国から」(フジテレビ系)がスペシャルドラマを含めて21年(1981~2002年)、「あぶない刑事』(日本テレビ系)が最新映画まで38年(1986~2024年)であることを思うと、同一キャストの作品として「俺たちの旅:がいかにまれなロングシリーズかがわかるだろう。その魅力は何なのか。今回の映画で再確認してはいかがだろうか。

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