スター軍団の伝説のおもてなし「人間、お腹がいっぱいで怒る人はいないんだ」
僕はその小林専務に「石原プロに取材に行くと何かとたくさんの食べ物が出てくるのはなぜか」と尋ねたことがある。小林専務は「人間、お腹がいっぱいになって怒る人はいないんだよ。殺伐した状況でも落ち着くもんだ」と答えてくれた。なるほど、政治家が小難しい話は食事をしながらするのも納得だ。
石原プロのおもてなし相手はマスコミばかりではない。極寒のロケが行われた時は、石原プロお得意の“炊き出し”が行われた。ある日、撮影スタッフたちが「石焼き芋が食べたいな」とつぶやこうものなら、翌日は石焼き芋が届いた。それも石焼き芋のトラックまるごと。昨日のひと言で業者に頼んでくれたんだと喜ぶスタッフたちに、小林専務は「バカヤロー、新車を買ったんだよ」とひと言。
もっとも、カメラや照明など別々の会社から集まってくるスタッフにこの話が伝われば、「石原プロの仕事は断るな」となる。その宣伝効果たるや、小林専務が「安いもんだよ」と言ったのもうなずける。
裕次郎さんが地方ロケの現場に来るのは珍しかった。しかし、ほんの数時間の撮影を終え現場を離れる際は、スタッフや関係者全員分の“夜遊び代”を置いていった。そういう“伝説”をつくるのもスターの本分というものだ。




















