『イエスタデイ』一周回ってBメロの劇的な美しさを積極的に堪能したい
アルバム『ヘルプ!』(1965年8月6日発売)②
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■『イエスタデイ』①
いよいよ世界的名曲『イエスタデイ』である。ここまで見てきたように、ジョンに押され続けてきたポールにとっての、起死回生の名曲である。
この曲をどう捉えるか。少なくとも私は、3段階で認識が変化していった。出世魚のように。他のビートルズファンはどうかしら。
1段階目「ハマチ期」は、この曲を、いわゆるスタンダードの名曲として認識する段階。私の世代なら、音楽の教科書に取り上げられ、先生が「ビートルズですが、ロックみたいなお下品な曲じゃなくって、美しいメロディーですわね、オホホ」みたいに教えられたりして、ハマチがそのまんま受け取る期だ。
2段階目「メジロ期」は、ビートルズの、それもロックな側面に目覚めてしまった後に訪れる。弦楽四重奏をバックにした甘ったるい感じに耐えきれなくなる段階だ。「やっぱポールはダメだよなぁ、ビートルズはやっぱジョンだぜ、イエー」とメジロが叫ぶ期である。正直私も「メジロ期」がかなり長かった。
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ただ、私もある程度年を取って、気が付いたら3段階目「ブリ期」に突入していた。つまりは「やっぱ、これいいメロディーだなぁ、いいなぁ」と、まさに一周回って、超絶名曲として認識する段階だ。そう、やっぱりいいものはいいのですよ。
「ハマチ期」の人が多い世間的には「弦楽四重奏をバックにした甘ったるい感じ」で支持されているのも事実。しかし「ブリ期」に入ったのなら、そんな見かけ(アレンジ)ではなく、中身=メロディーの美しさを積極的に堪能したい。
音楽的解析は次回に回すものの、試聴リンク再生時間「0:39」からのBメロ(特にその最初)の美しさには劇的なものがある。ポールがこの曲を作ったときに、あまりに出来すぎていて「もしや既存曲にあったメロディーでは?」と周りに聞いて回ったというのも十分にうなずける。
さて、こうなってくると、弦楽四重奏なし、ギター一本状態で最後まで進む『イエスタデイ』が聴きたくなるではないか。
ありまっせ。
アルバム『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』に入っているこの曲の「テイク1」の音源である。終始ギターだけをバックに、淡々と歌われるさまは、まさに『イエスタデイ』の原石。そしてこの原石でも十分美しいのだから、弦楽四重奏をまとったら(まとっても)、これまたいいに決まっている。
というわけで、みなさんも「ブリ」になりましょう。
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