(29)一節切の音が夜空に響く
そうして宗長は、改めて茜をしみじみと見やる。
「だから、そなたのように、乱世を逞しく生きている女子を見ると、あのお蔦も、何処かで生き抜いてくれているのではないかと、微かな望みを繋ぐのだ」
茜は、ふうん、と相槌を打ちつつ、ふと微笑んだ。
今日に至るまで、幾度…
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