舘ひろしを現実とフィクションの垣根を越えて描く映画『免許返納!?』に漂う「リスペクトの思い」

公開日: 更新日:

 河合勇人監督による作品全体から漂うのが、南条弘=舘ひろしをリスペクトする思い。南条弘のフィルモグラフィーには舘が実際に主演した作品も含まれていて、南条と舘は一体化したキャラクターになっている。南条と尾崎の往年の作品「ハーレーライダー」では、両手を放してハーレーに乗った南条がショットガンをぶっ放す場面があり「あぶない刑事」を彷彿とさせる。南野陽子演じるママのスナックで、周りにせがまれて歌うのは舘の名曲「泣かないで」で、このフルコーラスシーンは、笑いを越えて感動的だ。

 アクション俳優がリスペクトされる映画というのは、ジョン・ウェインが最後の戦いに挑むガンマンを演じた「ラスト・シューティスト」(1976年)で、彼のガンマンとしての伝説を説明するために、冒頭で「赤い河」や「リオ・ブラボー」といった主演作の映像が使われたり、バート・レイノルズが老齢になったかつてのアクション俳優を演じた「ラスト・ムービースター」(2017年)では、彼の主演作「トランザム7000」や「脱出」が劇中で、代表作として映画祭で上映される場面が出てきたことがある。だが、日本では現実とフィクションの垣根を越えて扱われた俳優はほぼ例がない。こういう描き方ができるのは、今もダンディーなアクションスター・舘ひろしだから可能なわけで、存在感が唯一無二であることを再認識させられる。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関復帰10勝での「休場」に現実味…天敵・大の里に初勝利も素直に喜べない理由

  2. 2

    暫定措置は7月で終了へ…「資格確認書」「マイナ保険証」迫るタイムリミットの対処法

  3. 3

    目黒蓮不在のSnow Man、ラウールが"次期エース"へ台頭か「めめラウ」が与え合う影響

  4. 4

    北陸新幹線の延伸ルート「桂川案」に決定でも難航必至…問題解決の奇策「フリーゲージトレイン」の可能性を考えてみた

  5. 5

    阿部慎之助氏の巨人監督復帰が絶望的なワケ…親会社が断固として許さない暴力行為の重み

  1. 6

    安青錦が丸ごと吐露…相撲との出会い、日本語習得、「腹違いの兄貴」

  2. 7

    ウルトラセブンで主演の森次晃嗣さん「ずっと“モロボシ・ダン”と見られるのが嫌だった…」

  3. 8

    佐々木朗希また抹消…中6日も守れない“ひ弱な怪物”をそれでも全30球団が欲しがったワケ

  4. 9

    「24時間テレビ」放送1カ月前に日テレ局内に流れる微妙な空気…猛暑の中の星野真里マラソンに大逆風

  5. 10

    「働いて×5」では?…支持率急落の高市首相「睡眠不足」「家事多忙」SNSでアピールのトンチンカン