舘ひろしを現実とフィクションの垣根を越えて描く映画『免許返納!?』に漂う「リスペクトの思い」

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 河合勇人監督による作品全体から漂うのが、南条弘=舘ひろしをリスペクトする思い。南条弘のフィルモグラフィーには舘が実際に主演した作品も含まれていて、南条と舘は一体化したキャラクターになっている。南条と尾崎の往年の作品「ハーレーライダー」では、両手を放してハーレーに乗った南条がショットガンをぶっ放す場面があり「あぶない刑事」を彷彿とさせる。南野陽子演じるママのスナックで、周りにせがまれて歌うのは舘の名曲「泣かないで」で、このフルコーラスシーンは、笑いを越えて感動的だ。

 アクション俳優がリスペクトされる映画というのは、ジョン・ウェインが最後の戦いに挑むガンマンを演じた「ラスト・シューティスト」(1976年)で、彼のガンマンとしての伝説を説明するために、冒頭で「赤い河」や「リオ・ブラボー」といった主演作の映像が使われたり、バート・レイノルズが老齢になったかつてのアクション俳優を演じた「ラスト・ムービースター」(2017年)では、彼の主演作「トランザム7000」や「脱出」が劇中で、代表作として映画祭で上映される場面が出てきたことがある。だが、日本では現実とフィクションの垣根を越えて扱われた俳優はほぼ例がない。こういう描き方ができるのは、今もダンディーなアクションスター・舘ひろしだから可能なわけで、存在感が唯一無二であることを再認識させられる。

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