なにわ男子・長尾謙杜の“あだ討ち”から始まる江戸ミステリー「木挽町のあだ討ち」

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 第36回山本周五郎賞と第169回直木賞をダブル受賞した永井紗耶子の小説を、柄本佑渡辺謙、長尾謙杜と豪華なキャストを集めて源孝志監督が映画化した「木挽町のあだ討ち」(今月27日公開)。タイトルから時代劇と敬遠することなかれ、これが本格ミステリー。歌舞伎、人情話が見事にブレンドされた、一大エンターテインメント映画なのである。

 時は文化7年1月。江戸にある芝居小屋「森田座」近くの空き地で、美濃遠山藩の藩士・伊納菊之助(長尾謙杜)が父を殺害して逃亡した下男・作兵衛(北村一輝)の首を討ち取る、あだ討ちが行われた。その1年半後、同じ遠山藩の加瀬総一郎(柄本佑)が「森田座」を訪れ、あだ討ちに腑に落ちない点があると、菊之助と交流があった座員たちから話を聞き出していく。

 タイトルのあだ討ちは冒頭に描かれ、17歳の美青年・菊之助を演じた長尾と、無頼の男・作兵衛を憎々しげに演じる北村の好演もあって、一気に作品世界へ引き込まれる。このあだ討ちは「仮名手本忠臣蔵」の千穐楽が終わった直後に見物人が見守る中で行われ、江戸じゅうの話題をさらう。名探偵役で登場する柄本佑は、菊之助が心優しくあだ討ちをできる男ではないことを疑い、打ち取った作兵衛の首が行方知れずになっていることにも疑問を持つ。

 江戸時代を背景にしたミステリーと言えば岡っ引きの捕物帳や「鬼平犯科帳」が有名だが、これらはある種刑事ドラマの時代劇版。この映画では盗みや殺人事件が謎のポイントではなく、あだ討ちそのものをミステリーの題材にしているのが異色。観客は“あだ討ちに隠された謎”とは何なのかを柄本佑と共に探っていくことになる。

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