著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

萩本欽一〈21〉「これが失敗したら堅気になる」キャバレーの司会をやっていた坂上二郎からの運命の誘い

公開日: 更新日:
1日200通のファンレターがきたというコント55号時代(C)日刊ゲンダイ

 作家・増田俊也氏による連載、各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡ぐ口述クロニクル。待望の第2弾は、「視聴率100%男」として昭和のテレビ界を席巻したコメディアンの萩本欽一氏です。

  ◇  ◇  ◇

増田「その一軒家は世田谷の?」

萩本「はい、そうです」

増田「築20年の…」

萩本「いや、そのときは建て売りの新築。そのときは言ってみれば一応形だけだね。28歳で家が建つっていうんで芸人を始めたから、とりあえず急いで買わないとって。28歳が近づいてましたから。とにかく買いたいってだけで、全額お金を借りて買っちゃいました」

増田「借りたんですか?」

萩本「はい。銀行は貸してくれないってんで、信用金庫行ったら『コント55号の未来に出しましょう』って貸してくれた」

増田「信金は見る目がありましたね」

萩本「『きっと大きな大きなタレントになるでしょうから』って」

増田「昭和43年くらい?」

萩本「年号で言われてもわかんないな」

増田「ゴールデンショーが始まった頃じゃないですか、お昼のゴールデンショー」

※『お昼のゴールデンショー』:1968年4月からフジテレビ系で放送されていたバラエティー番組。毎週月曜〜金曜の昼12時から12時45分の生放送。司会は前田武彦。萩本欽一と坂上二郎がレギュラーとして脇を固めていた。横山やすし・西川きよし、かしまし娘、牧伸二、立川談志、青空はるお・あきお、初代林家三平、夢路いとし・喜味こいしなど錚々たるゲストを呼び、大人気番組となった。


萩本「ああ、そうそう。ゴールデンショーの時はすごかった。1日にファンレターが200通来てましたから」

増田「毎日」

萩本「郵便の人が紐で縛ったやつを、朝と夕方4時ごろにもう1回持ってきて」

増田「ファンレターっていうのはほとんど女性から?」

萩本「はい」

増田「独身だし、まだ」

萩本「はい」

増田「二郎さんはもう結婚してたんですか?」

萩本「二郎さんは結婚してました。で、奥さんに子供が生まれるっていうんで『最後の勝負をさせてくれ』って。キャバレーの司会やってたんですよ。奥さんに『最後の勝負をさせてくれ』って。これが失敗したらもう」

増田「堅気になると」
 

この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。

(残り1,122文字/全文2,113文字)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    サッカーW杯でもクッキリ…中国企業の存在感は高まるばかり

  2. 2

    高市早苗が「2025年のバカ」第1位!不名誉トップ10に麻生太郎、“ウンコにタカる銀蠅議員”らがランクイン

  3. 3

    暴言LINEを連投、水をぶっかけ…良ちゃんに懸念されていた過去の「奇行」 鬼越vs渡部騒動で分かれた明暗

  4. 4

    【スクープ第6弾!】衆院選中の違法「広告動画」疑惑 大阪自民17陣営にも大量発覚

  5. 5

    星野監督は開口一番に「引退勧告」 俺が“邪魔な存在”であるとヒシヒシと伝わってきた

  1. 6

    佐々木朗希に付いて回った“タンパリング疑惑”…ドジャース以外の29球団は「そこまでやるか」と激怒した

  2. 7

    巨人・橋上監督代行“地固め”着々で次期監督にんまり? オーナー評価は「あくまでコーチ」

  3. 8

    松尾雄治さん(1)ゴルフ場で意識を失う…「気が付いたら病院のベッドでした」

  4. 9

    高市首相2カ月ぶり党首討論「嘘と居直り」のデタラメ60分…国民民主に猫なで声、公明には高圧

  5. 10

    ドジャース大谷翔平“満身創痍”の深刻度…本人が「ムリ」と判断し前半戦最終登板と球宴を回避