俳優・山本學さん89歳「たかだか役者なんですから」の気持ちでやってます

公開日: 更新日:

角川春樹総監督の最後の作品「星の教室」では中2の生徒の役

 僕の印象に残っているドラマはRKB毎日制作の「絵描きと戦争」(81年)です。

 戦時中に軍人画家として戦争画を描いて日本を追われた藤田嗣治の話です。藤田は戦争画を描いたことで吊るし上げられ、「さよなら」と言い残して日本を去ってパリに行く。

 彼は戦争を肯定していたわけではなく、いろいろ問題があったということを言いたかった。声高に戦争反対とか攻撃的に言う人がいるけど、本質はそういうことじゃないと思う。きちんと説明して最終的に反戦が伝わることが大切。僕はそういう作品が好きです。

 これまでいろんな役をやってきました。その中で上から目線で人と付き合ってきたことはありません。いつも対等。常に下手に出て若い人とも一緒に親しく付き合う。だって、僕らはたかだか役者なんですから。演出家だってそう。すぐ居丈高に「君は!」とか言う人がいるけど、そんなこと言っても人は変わらないし、もっとやさしくしてあげた方がいずれ自分に返ってくる。上から目線はいけません。

 メシを食うにはお金は必要だけど、なんでもやることだけは慎もうと思ってやってきました。だから今も貧乏です(笑)。こういう考え方は変わりません。

 11月公開の映画「星の教室」は角川春樹総監督の最後の作品です。夜間中学がテーマ。足立区と荒川区の中学で見学もしました。本当に真面目に勉強している姿を見て感動しました。僕が演じるのは中学2年の2組の生徒です。沖縄の戦争も経験し、家族がアメリカ兵に殺される。戦後、結婚するけど、戦争の経験から殴ることでしか人と会話ができない。結局、かみさんに逃げられ、悪いことをしたと思って手紙を書きたい。だけど字が書けない。それで夜間中学で勉強しようとする人を演じています。

 角川さんは昨年病気で倒れられ、リハビリ中の時期でしたが、ずっと現場で見ている。その姿を見て本当に映画が好きなんだなと思いました。教えられることが多い映画です。 

(聞き手=峯田淳)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    北島三郎(4)「毎日が目標です。後ろへは戻れない」 地元・八王子のイベントで生涯現役宣言

  2. 2

    サンド伊達レギュラー14本…40~50代の芸人に仕事集中、「リスク分散」しなかった各局のダメージ度

  3. 3

    中学時代をジャージーで過ごした鈴木奈穂子が、法政大女子高から大学に内部進学してNHK人気アナになるまで

  4. 4

    「24時間マラソン」満身創痍の星野真里が完走も…募金額46%減&ゴール直前の乱入騒動に非難の嵐

  5. 5

    「24時間テレビ」出演者ギャラ、視聴率目当ての偽善、CM荒稼ぎ…毎年非難ゴウゴウの“内実”に迫る

  1. 6

    24時間マラソン完走後にSNSで“陰謀論”が拡散 星野真里に上がった「車移動説」のお粗末

  2. 7

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 8

    山本美月は九州の女子校で偏差値トップ「筑紫女学園」から明大農学部へ 祖父も生物教師の“リケジョ”

  4. 9

    WEST.重岡大毅の結婚にファンの怒りと落胆…“祝福されないアイドル”がやらかす「3つの誤算」

  5. 10

    福井県に「大雨特別警報」が出る中での24時間テレビに意義はあったか? 識者は「災害時には災害情報を」と指摘

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    U18高校代表16人の全進路が判明! プロ志望7人、早大&青学だけで計4人、社会人は2人

  2. 2

    「タンス預金2000万円」相続税はどうやってバレる? 税務署が追う“亡き親の出金”

  3. 3

    巨人“37歳大物トリオ”の来季はどうなる?「田中将大は楽天に帰すのでは」の見立てまで

  4. 4

    中学時代をジャージーで過ごした鈴木奈穂子が、法政大女子高から大学に内部進学してNHK人気アナになるまで

  5. 5

    田中将大が楽天を去った本当の理由…退団から巨人移籍までに俺とした“3度の電話”の中身

  1. 6

    小川晶市長の“ラブホ密会”はなぜ許されたのか? 《前橋の有権者の感覚疑うわ》との批判も

  2. 7

    北島三郎(4)「毎日が目標です。後ろへは戻れない」 地元・八王子のイベントで生涯現役宣言

  3. 8

    佐藤輝明「三冠王」なら年俸いくら? メジャー流出阻止へ阪神が用意する破格の条件

  4. 9

    WEST.重岡大毅の結婚にファンの怒りと落胆…“祝福されないアイドル”がやらかす「3つの誤算」

  5. 10

    高市内閣“小幅”改造の真の目的…首相は「挙党体制」を建前に党総裁選のライバル潰しに虎視眈々