無名の10代だった中島美嘉 “歌姫”誕生の瞬間
そんな流れの中で01年の秋、僕らは1人の歌姫誕生の瞬間を、連ドラで目撃する。それが「傷だらけのラブソング」(関西テレビ・フジテレビ系)。
業界から追放された元売れっ子音楽プロデューサーがある不良少女の才能に惚れ込んで、彼女をデビューさせるべく奮闘するというお話だった。「サラリーマン金太郎」(TBS系)シリーズで豪快な元ヤンキーサラリーマンを演じて人気だった高橋克典(当時36)が主演だったのだけど、その少女“島崎未来”を演じた無名の新人・中島美嘉(当時18)の放った特別な光こそがこのドラマのキモだった。
ドラマ内で彼女が歌った「アメイジング・グレイス」(911の直後だっただけにシビれた)は、劇中のプロデューサーだけじゃなく、見ているほうも引き込む説得力。“事務所のパワーで抜擢された”のとは明らかに違う、タダモノではない存在感。10代の危うさとはかなさ、それと同居する独特な色気とブレない“芯”は、未来の大物を予感させた。もうちょっとの間でいいから、違うドラマでも10代の女優としての輝きを見てみたかった。
ドラマ自体は残念ながら当時の合格ラインである2ケタには乗らなかったものの、彼女が本物だったことは、後の音楽シーンが証明している。そして中島美嘉が歌姫として認知されたころには、プロデューサー役だった高橋克典は“特命係長”に出世(?)する。あんま関係ないか。
(テレビコラムニスト・亀井徳明)



















