バブル臭プンプン 栗山千明「不機嫌な果実」の時代錯誤

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 ひと昔前にはやったような結婚・恋愛ドラマが多い中で、とびきり時代遅れなのが「不機嫌な果実」(テレビ朝日系)だ。

 夜11時台の割に栗山千明市原隼人萬田久子稲垣吾郎と豪華なキャスト。スマホが出てくるから時代背景は今なのに、中身は80年代バブル期のにおいがスゴくする。

 原作は96年刊行の不倫小説で、翌97年に一度ドラマ化しているのに、なぜ20年後にまたドラマにするのか、理解できないくらい、現在とのギャップがある。

 まず設定は結婚5年なのに、セックスレスで夫婦関係が冷えてる女(栗山)が再会した昔の彼と関係し、葛藤しつつも不倫旅行に出かけたり、他の男とも出会ったりという、まさに20年前の不倫ものの展開。

 先週1回目は登場人物たちの住まいが豪華でバブルってるし、不倫してる女・されてる女が次々出てきた。栗山の女友達はバーでワインを飲みながら、「稼ぎはいいし、何でも言いなりになってくれるし、こうやって遊び回れるのも旦那のおかげだしさぁ」なんて言っている。

 栗山は昔の彼と再会して食事後、別れ際にキスしたが、「キスだけでこんなにドキドキするなんて! 唯一の不満は昔みたいにタクシーチケットをくれなかったことだ」なんて心の中で言う。今の時代のサラリーマンが聞いたら、思わず「電車で帰れ!」と怒鳴りたくなるだろう。笑ってしまうバブリーなセリフの連発なのだ。

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