荒木経惟
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荒木経惟写真家

1940年、東京生まれ。千葉大工学部卒。電通を経て、72年にフリーの写真家となる。国内外で多数の個展を開催。2008年、オーストリア政府から最高位の「科学・芸術勲章」を叙勲。写真集・著作は550冊以上。近著に傘寿記念の書籍「荒木経惟、写真に生きる。荒木経惟、写真に生きる。 (撮影・野村佐紀子)

<50>あらゆるイメージが女性器の暗喩…エロスとタナトスは相反するものじゃないんだ

公開日: 更新日:

エロトス(1)

 これは、「エロトス」ね。エロス(性)とタナトス(死)。エロスの反対がタナトスで、タナトスの逆がエロスっていうんじゃない。エロティックなことには、死が混ざってないとだめなんだよ。相反するものじゃないんだ。<エロス(性)>と<タナトス(死)>が同時に入っている。だからエロトスなんだよ。「エロトス」は、海外ですごく人気があるんだよね。海外で写真集を作ったり、展覧会をやったりすると、よく「エロトス」を入れたいとか、「エロトスを80点並べたい」とか言ってくるんだよ。(「エロトス」は<エロス>と<タナトス>を組み合わせた荒木による造語。1993年に同名の写真集を刊行。身体のパーツや物の断片、花、食べ物などあらゆるイメージが女性器の暗喩として捉えられ、エロスとタナトスが濃密に絡みあう、荒木の数多い写真集の中でも傑作と評される1冊)

「エロトス」は、リングストロボっていうのを使って撮ってるんだよ。これは言ってみれば手術台のライティングなんだ。手術のときって、上から光を当てるだろ。そのとき、医者が自分の頭が影にならないように、手元を明るくできる無影灯というライティングがある。リングストロボはそれに近いね。

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